ドラッグストア 売上高ランキング
ドラッグストア 売上高ランキング
ドラッグストア各社について、売上高の順で整理する。
データは「業界地図2020年版」を参照しており、2018年度版の数値に基づいている。
企業名 | 売上高 | 営業利益 | |
1 | ツルハホールディングス | 7824 | 418 |
2 | ウエルシアホールディングス | 7791 | 290 |
3 | コスモス薬局 | 6111 | 247 |
4 | サンドラッグ | 5880 | 352 |
5 | マツモトキヨシホールディングス | 5759 | 360 |
6 | スギホールディングス | 4884 | 258 |
7 | ココカラファイン | 4005 | 129 |
上記の表が、2018年度におけるドラックストア大手7社の売上高ランキングである。併記している営業利益とは、「売上高」から「売上原価」と「販売費及び一般管理費」を引いたものだ。「売上原価」とは販売する商品の原価を、「販売費及び一般管理費」とは人件費・広告費・光熱費といった費用を意味する。
今後の予想
ただし、少なくとも2021年を契機に、この勢力図は一変する。業界5位のマツモトキヨシホールディングスと、業界7位のココカラファインによる合併が行われるからだ。正式な統合は2021年10月に予定されており、合併後の売上高は約1兆円と業界首位に躍り出る。
そして、この影響は業界他社のM&Aを促す可能性が高い。理由は3つある。
1つ目は、ドラッグストア事業は、一般的に規模の経済が有効な事業領域であるからだ。すなわち、製品の仕入れやシステムの一般化などを通じて、企業規模が大きいほど高い利益率を維持できると考えられる。
2つ目は、市場成長が鈍化しているからだ。緩やかな成長傾向は続いているが、ドラッグストア市場自体、既にライフサイクルの後半に差し掛かっている。パイの拡大が期待できない以上、パイの占有が志向されるのは妥当であろう。
3つ目は、差別化の困難さだ。突き詰めると、ドラッグストアのビジネスモデルとは、日用品や化粧品を集客源にして、利益率の高い医薬品を販売するというシンプルなものである。医薬品の取り扱いには法律上の参入障壁があり、他業界からの参入は抑制されているが、市場内では同様のビジネスモデルが展開されている。各社とも様々に画策しているが、極めてコモディティ化したビジネスと言える。
以上3点を踏まえると、今後のドラッグストア業界は、M&Aを通じた規模拡大路線に変換していくと考えられる。今回のような1兆円規模のM&Aは前例がないため、しばらくは経過を様子見する者もいるだろうが、競合他社も指をくわえてみているだけではいられない。
【参考文献】
「日経業界地図2020年版」,日本経済新聞社, 2019/08
1兆円メガ薬局の誕生 マツキヨ&ココカラ統合で突入する巨大再編時代2019.8.26 5:30
https://diamond.jp/articles/-/212785